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疼痛領域(がん疼痛含む)

「Shared Cancer Knowledge -30分で学ぶ最新のがん診療-」

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  • 2026年7月17日(金)18:00~18:30
  • ◆講演
    乳癌治療の進歩と疼痛管理

    演者:獨協医科大学埼玉医療センター 
       乳腺内分泌外科 准教授
       丹羽 隆善 先生
  • 抄録

  • 近年、乳癌治療は薬物療法を中心に大きく進歩している。CDK4/6阻害薬、抗体薬物複合体(ADC:Antibody-Drug Conjugate)、免疫チェックポイント阻害薬の登場により、再発・転移乳癌においても長期的な病勢コントロールが可能となり、「治療しながら生きる」患者が増加している。がん治療の進歩に伴い、「よりよく生きる」ことを支える支持療法の重要性はますます高まっている。
    支持療法のなかでも疼痛管理は重要な課題である。癌性疼痛は侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、突出痛など複数の病態が混在しており、適切なコントロールが得られない場合には、抗がん薬治療や内分泌療法の継続を困難にする要因となり得る。また、慢性疼痛に伴うストレス応答や疼痛関連神経ペプチドが、腫瘍微小環境や免疫機能に影響を及ぼす可能性も報告されている。このことから、疼痛管理はQOLの改善のみならず、がん治療の継続性や治療効果の維持にも関与する重要な支持療法と考えられる。
    癌性疼痛治療では、これまでWHO三段階除痛ラダー(非オピオイド、弱オピオイド、強オピオイドを基本とし、必要に応じて鎮痛補助薬を併用)が広く用いられてきた。しかし、2018年のWHOがん疼痛治療ガイドライン改訂では、「ラダーに沿った段階的使用」という概念は本文から削除され、「患者ごとに」を中心とした個別化医療の考え方がより強調された。すなわち、疼痛の強度や病態に応じて、患者ごとに最適な薬剤および投与量を選択することが求められている。
    本講演では、乳癌の診断・治療の現状を概説したうえで、疼痛評価法(NRS、BPI、LANSSなど)、薬物療法(鎮痛薬および鎮痛補助薬)、さらにリハビリテーション、心理的介入、神経ブロックなどの非薬物療法を含めた集学的疼痛管理について紹介する。適切な疼痛管理が患者のQOL向上と治療継続の両立に果たす役割について考察したい。
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