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解説

  • 産婦人科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、婦人科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 産婦人科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、婦人科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • (8)発熱

    婦人科臓器由来の感染の有無をまず検討する。

    ◆ 発熱を伴う下腹部痛の際に骨盤内臓器周辺に限局していれば腹部触診による反跳痛に乏しいことがある。内診(双合診)による圧痛や、子宮動揺痛が参考になる。右下腹部痛が中心である場合、虫垂炎と右付属器炎の鑑別は困難である。虫垂炎は発症前に消化器症状(食思不振、嘔吐、など)がみられることが多い。しかし、腹膜刺激症状が広範にあれば消化器症状は出現する。腟鏡診で、頸管からの帯下が見られることがある。典型的にはクラミジアでは卵白様、淋菌では膿様、と言われるが特異的ではない。骨盤腹膜炎の起因菌は腟内細菌培養の結果と一致しないことが知られている。淋菌が起因菌の骨盤腹膜炎の際は発熱の頻度が高いがクラミジアでは低いことに注意する。

    ◆ 右上腹部痛、呼吸時に疼痛が悪化する、圧痛、などは淋菌やクラミジアによる肝周囲炎(Fits Hugh Curtis症候群)として知られる。

    ◆ 産褥期の発熱の際には、子宮内膜炎(内診による子宮の圧痛、動揺痛)とともに、乳腺炎(乳房の緊満、発赤)を原因として考える。産褥乳腺炎は授乳開始後3カ月までに多く、授乳婦の2~10%に見られる疾患である。冷罨法、乳汁の圧出と抗生物質治療が必要になるが、MRSAが起因菌であることが多いので乳汁の培養を行う。特に乳腺に膿瘍が形成されたときは排膿が必要になる。

    ◆ 明らかな感染源が婦人科臓器にない場合は、全身感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患などを念頭に鑑別診断を行う。甲状腺機能亢進症やそのクリーゼでも発熱するので、発熱患者に甲状腺腫がないかどうかは視診・触診で確認しておく。
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