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解説

粉瘤

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 粉瘤
  • 定義・概要
    毛包漏斗部由来の嚢腫性病変である。皮内から皮下にかけて存在し、下床とは可動性がある。表面は正常皮膚色〜淡青色を呈し、弾性硬、表面平滑でドーム状に軽度隆起する。頭頸部、体幹上部、腰臀部に好発する。病理組織では囊腫は正常表皮とほぼ同じ構造(基底層、有棘層、顆粒層)からなる囊腫壁を有し、囊腫内には角化物の貯留を認め、開口部が確認できる。
  • 診察時のポイント
    しばしば頂点に黒点状の開口部(ヘソ)を有する。被覆表皮と連続するが下床とは可動性がある。自覚症状はないが、嚢腫壁の破綻などにより炎症を伴った場合には(炎症性粉瘤)、急激な発赤・腫脹・圧痛を伴うため、速やかな処置が必要となる。
  • 診断の流れ
    内容物の排出や炎症を伴ったエピソードの有無、増大傾向であるかなどを問診する。
    視診、触診で診断可能なことが多いが、必要に応じてエコー検査などの画像検査を行い、内部性状や大きさ、深度を評価する。エコーでは境界明瞭で内部が不均一な低エコー領域として描出され、後方増強を伴う。
    炎症性粉瘤では発赤、腫脹を伴い、波動を触れる。自壊すると、内部より腐臭を伴う白色の粥状物の排出を認める。
    治療は外科的切除が基本であるが、炎症を伴って全摘が困難な場合には、可及的に切開排膿を行う。
  • 鑑別疾患
    【毛母腫】幼小児の顔面、頸部、上肢に好発し、通常単発性の硬い皮内・皮下腫瘍。表面は常色〜青白色であり、凹凸に富み、骨様硬に触知する。
    【脂肪腫】全身に単発性または多発性に生じ、大きさは1〜10 cm程度と様々である。皮下に存在し、柔らかく可動性に富む。神経を圧迫すると疼痛を自覚することもある。
    【皮膚線維腫】成人の四肢に好発し、直径数mm〜2cm程度の褐色調の隆起性結節。真皮内病変であり、皮膚を周囲からつまむと病変直上が陥凹する。
    【ガングリオン】表面平滑な緊満性の弾力のある小豆代程度の皮下嚢腫。20〜40歳代の女性に多い。手関節背側が最も多く、手指以外に肩、肘、足関節などにも発生する。
    【皮様囊腫】前額部、尾毛部、上眼瞼の皮下に生じる、1〜4cm程度の半球状に隆起する皮下結節。生下時から存在する。
    【外毛根鞘嚢腫】一般に皮膚色は常色で開口部はない。約90%までが頭部に生じる。容易に剥離され、硬く平滑な白色の嚢腫壁を示す。病理組織では、顆粒層を伴わずに角化層へと分化する像がみられる。
    【耳瘻孔】生下時からみられる外耳孔上前方の瘻孔。多くは1~1.5 cm程度の深さで、内部は袋状である。
    【外歯瘻】歯根部の慢性化膿性炎症の排泄路としての瘻管が顎骨を穿孔し、顔面ないし頸部の皮膚に軟部組織炎、蜂窩織炎、膿瘍と順次進展し、最終的には皮膚に瘻孔を形成する。経過中に歯の症状を自覚することは稀である。
    【皮下膿瘍】真皮から皮下脂肪組織で膿が貯留する状態。皮下組織は通常無菌状態であるが、皮膚表在菌などが皮膚内部に感染し膿瘍を形成する。波動を触れるが、嚢腫性病変ではないため隔壁はない。
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