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解説

乾癬

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 乾癬
  • 定義・概要
    慢性に経過する炎症性角化症であり、本邦では人口の約0.1~0.4% が罹患しているとされる。あらゆる年齢で発症するが、ピークは30歳代と60歳代である。病型には尋常性乾癬、関節炎を伴う関節症性乾癬、発熱など全身症状を伴う膿疱性乾癬、全身に皮膚症状を認める乾癬性紅皮症、直径10mm以下の小病変が全身に多発する滴状乾癬などがある。
  • 診察時のポイント
    厚い銀白色の鱗屑を伴った境界明瞭な紅斑を確認する。時に瘙痒感を伴う。乾癬性関節炎を念頭に、関節痛の有無を問診する。
  • 診断の流れ
    特徴的な皮疹から診断が容易であることが多い。一方、下記の疾患と鑑別を要するときには病理組織学的検査を行う。すでに皮疹にステロイド塗布が開始されている場合、皮膚生検予定部のみ1週間程度外用を中止した上で皮膚生検を行うとよい。
    特徴的所見として、Munro微小膿瘍、顆粒層の消失、表皮突起の規則的延長などがある。観察しやすい四肢や体幹のみではなく、頭部、臀部、爪も観察し、皮疹面積、紅斑、浸潤、落屑、爪症状の程度を評価する。
    乾癬性関節炎は皮膚症状に続発することが多いため、乾癬患者の診察時には関節痛の有無を確認する。患者は皮膚科受診時には皮膚症状しか訴えず、問診しない限り関節症状を訴えないことが多いため、医療者側から聴取することが大切である。関節痛がある場合は、変形性関節症、痛風、関節リウマチといった他の疾患と鑑別する必要があり、血液検査やX線 検査、関節エコー等を行う。乾癬性関節炎では付着部炎が特徴的である。必要に応じて膠原病内科医、整形外科医とも連携する。
  • 鑑別疾患
    【慢性湿疹】浸潤傾向があり、苔癬化を主徴とする。多発性に生じ、角化が著しい場合には臨床的に鑑別が困難となる。病理組織学的に表皮突起の延長は通常不規則である。
    【貨幣状湿疹】円形、楕円形の湿疹性病変が下腿伸側に好発する。しばしば痂皮、浸出液を伴う。
    【脂漏性湿疹】頭部、顔面、胸背部中央といった脂漏部位に好発し、軽快悪化を繰り返す。
    【乾癬型薬疹】降圧薬のβ遮断薬、Ca拮抗薬といった薬歴を問診する。病理組織学的には乾癬パターンに加えて液状変性や好酸球浸潤が目立つことが多い。
    【苔癬状粃糠疹】白色鱗屑を付着する1cm程度までの紅斑もしくは紅斑性丘疹が次々に新生し、新旧の皮疹が多発散在する。自然消退も期待できる。
    【Gibertバラ色粃糠疹】ヘラルドパッチと呼称される初発疹に続き、拇指頭大までの楕円形の紅斑が躯幹や四肢近位に多発する。紅斑の辺縁で、粃糠様鱗屑が襟飾り状に配列する。紅斑は長軸を皮膚割線の流れに一致させる。
    【菌状息肉症】紅斑期・扁平浸潤期では、臨床的に乾癬と鑑別が困難なことがある。病理組織学的に異形リンパ球を認める。
    【第2期梅毒】躯幹四肢のばら疹とともに、手掌足底に梅毒性乾癬とよばれる1cmまでの角化性紅斑がみられる。
    【真菌症】薄い鱗屑を付着した中央消退傾向のある紅斑、爪の肥厚、白濁、脆弱化がみられる。爪真菌症は爪乾癬の13~47%にみられると報告されている。直接検鏡で真菌の有無を確認する。
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