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解説

爪白癬

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 爪白癬
  • 定義・概要
    白癬菌の爪部への感染によるもので、足白癬から続発性に起こる場合が多い。爪の先端から白濁し、次第に爪母側に進行することが多い。
  • 診察時のポイント
    直接検鏡で真菌を確認することが必須である。直接検鏡が困難な場合は真菌培養検査に提出してもよい。
  • 診断の流れ
    爪白癬は臨床症状から以下の4つに分類される。
    ①遠位側縁爪甲下真菌症(distal and lateral subungual onychomycosis;DLSO):足白癬から爪床→爪母方面へ進展するもので最も多い病型である。
    ②表在性白色爪真菌症(superficial white onychomycosis;SWO):爪表面のみが白濁するもの。
    ③近位爪甲下爪真菌症(proximal subungual onychomycosis;PSO):爪母側から白濁を生じるもの。
    ④全異栄養性爪真菌症(total dystrophic onychomycosis;TDO):白癬菌に爪全体が侵され、脆弱化、肥厚、爪甲鉤彎症などを生じる。
    正確に診断するためには、検体を採取する部位が重要である。爪白癬の検体はできるだけ、検出率の高い爪の基部に近いところの深部から採取することが基本である。爪切りで爪甲剥離部分や爪の先端部を除去し、爪床に近い部位から採取する。爪の奥深くを採取できない場合、爪甲剥離の下の皮膚表面(爪床)から採取する。SWOの場合は白濁した爪の表面から採取する。
    爪白癬は自覚症状を欠くため放置されている場合が多いが、足白癬などに菌を供給していることが多く、自家感染や家庭内感染の原因となる。根治を目指した治療を心掛ける必要がある。
  • 鑑別疾患
    爪白癬は爪疾患のおよそ半分を占めるため、爪甲の病変、特に混濁・肥厚・変形などを伴っている場合には常に爪白癬を念頭に置くべきである。しかし、爪白癬と類似する疾患は少なくないので注意を要する。
    【乾癬】身体の他の部位に乾癬の皮膚症状がある場合には爪白癬との鑑別は比較的容易であるが、乾癬患者の約5%は爪病変のみのことがある。爪甲にpitting(点状の小陥凹)、肥厚、萎縮、混濁、爪甲剥離、線状の爪下出血などを伴う。
    【扁平苔癬】扁平苔癬患者では少数ながら爪の病変を伴うことがあるが、爪のみが侵されることは稀である。この場合は多くの例で頬粘膜などに網目状の白色粘膜疹がみられるので、診断の手がかりとなる。爪の扁平苔癬の確定診断は生検による組織学的所見と併せて行う。
    【爪甲肥厚症】爪白癬によっても爪甲肥厚症の状態を呈することがあるが、それ以外に先天性爪甲肥厚症(指趾の多数の爪甲が侵される)や外傷に続発するもの、特発性のものがある。この場合は爪床の角質肥厚や脆弱化がみられない。
    【爪甲鉤彎症】爪甲肥厚が高度になり爪甲全体がカギ状に彎曲した状態で、爪白癬に伴って生じることもあるが、特発性のことも多い。
    【その他】毛孔性紅色粃糠疹、角化型疥癬などの疾患でも複数の爪甲の変化を伴う。多くは皮膚にも病変を生じるので、それらから鑑別して診断する。
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