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解説

下腿潰瘍

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 下腿潰瘍
  • 定義・概要
    下腿にできる表皮から真皮に及ぶ欠損で、底面に出血・漿液滲出・膿を認めるもの。しばしば膿苔や痂皮が付着する。肉芽組織を生じ、瘢痕治癒する。
    血流障害や神経障害など病因は多岐にわたるが、約80%が静脈性鬱滞に起因すると言われている。潰瘍や潰瘍周囲の状態、静脈瘤の有無などからある程度原因を絞り込むことは可能である。原因によって、潰瘍の深さや壊死組織の有無など多彩な症状を呈する。
  • 診察時のポイント
    潰瘍の経過、分布、自覚症状、随伴症状、基礎疾患、薬剤歴、既往歴、家族歴など詳細な問診が必要である。
  • 診断の流れ
    直接鏡検では、採取する部位が重要である。小水疱があれば、水疱蓋を鋏で切り取り直接鏡検を行えば、ほぼ確実-菌要素を確認できる。反対に水疱蓋を採取しても皮膚糸状菌が見えなければ足白癬ではない。アルコール綿で皮膚表面を拭くと、小水疱を見つけやすくなる。小水疱がなければ、水疱が破れてまだ辺縁の皮膚に付着しているみずみずしい鱗屑から調べる。
    趾間型足白癬でも浸軟部そのものではなく辺縁の鱗屑から検査する。顕微鏡の絞りを絞って、コンデンサーを下げ、10倍の対物レンズで観察する。水酸化カリウム(KOH)溶液で十分に溶かすことが重要であり、角質細胞が溶けていない場合に、角層の隙間や角質細胞間の脂肪滴が菌要素のように見える(菌様モザイク)ことがある。また、皮膚表面の糸くずや真皮の線維成分なども真菌と間違えることがある。
    すでに抗真菌薬外用が行われている場合、菌体を確認することはほぼ不可能である。臨床的に足白癬が強く疑われるが、直接鏡検で真菌が見つからない場合は、副腎皮質ステロイド薬を1~2 週間外用させてから、再度直接鏡検を行う。なお、臨床的に改善していても菌が見つかることはあり、見た目の改善だけで足白癬を否定してはいけない。
  • 鑑別疾患
    【伝染性膿痂疹】ノミなど水疱を形成する虫刺症では掻破により伝染性膿痂疹を生じていることがある。
    【慢性痒疹】ブユ刺症で生じた掻痒性丘疹を掻破し続けるうちに、難治性の痒疹結節を形成することがある。
    【天疱瘡・類天疱瘡】ノミなど水疱を形成する虫刺症では、天疱瘡や水疱性類天疱瘡に類似して水疱を形成することがある。天疱瘡や水疱性類天疱瘡は紅斑上に水疱形成することが多い。
    【蜂窩織炎】一般的には片側の下腿に発赤、腫脹、熱感、圧痛を生じる。刺咬後に強い腫脹を生じる場合、蜂窩織炎に類似した症状を呈する。
    【帯状疱疹】ドクガ類の幼虫による皮膚炎では、初期の帯状疱疹に類似した皮疹を呈する。帯状疱疹は片側の漿液性紅斑から始まり、集簇性に多発した小水疱を呈する。
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