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解説

酒皶

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 酒皶
  • 定義・概要
    主に中高年の顔面、特に鼻部に好発し、びまん性発赤と血管拡張が数カ月持続する原因不明の慢性炎症性疾患である。痤瘡様の丘疹、膿疱を混じることがある。
  • 診察時のポイント
    顔面を中心として、発作性潮紅、毛細血管拡張、紅斑、丘疹や結節が混在する。痤瘡と異なり面皰を伴わない。
  • 診断の流れ
    進行度、重症度によるステージ分類がある。
    ①第1度酒皶:紅斑性酒皶。紅斑と毛細血管拡張、火照り感が主体。
    ②第2度酒皶:酒皶性痤瘡。痤瘡に類似する丘疹・膿疱を主体とするが、面皰は伴わない。
    ③第3度酒皶:鼻瘤。鼻部を中心とした腫瘤。鼻が凸凹に不整に隆起して赤紫色を呈し、毛孔が拡大してミカンの皮のような外観となる。
    ④眼型酒皶:眼瞼・眼球結膜の充血や炎症を伴う。
    上記のような特徴的な臨床症状により診断するが、痤瘡やステロイド外用薬による酒皶性皮膚炎との鑑別が重要。
    酒皶の原因は不明であるが、病変部皮膚では自然免疫の異常が起こり、日光や毛包虫感染などの外的刺激による感受性が高まり、炎症や血管増生を来すと考えられている。
    紫外線、心理的ストレス、外気温の急激な変化、刺激のある食べ物やアルコールの摂取、不適切なスキンケアなどが増悪因子として知られるため、問診も重要である。
  • 鑑別疾患
    【酒皶様皮膚炎】ステロイド外用薬を顔面に長期使用することで、酒皶に類似した紅色丘疹、びまん性潮紅、痤瘡が発生する。
    【脂漏性皮膚炎】前額部、小鼻、鼻周囲の頬、頭皮などの脂漏部位に紅斑、鱗屑を生じる。マラセチアの関与が指摘されている。酒皶のような丘疹や血管拡張は通常みられない。
    【マラセチア毛包炎】マラセチア感染症。前胸部、肩、上腕伸側に毛孔性丘疹が多発する。
    【毛包虫性痤瘡】毛包虫(通称ニキビダニ、Demodex folliculorum)が毛穴で異常増殖することにより顔面に痤瘡を生じる。不適切スキンケアが原因となっていることが多い。
    【接触皮膚炎】原因物質が触れた部位に限局して、紅斑・漿液性丘疹・小水疱・びらん・痂疲などが認められる。原因物質との接触を絶つことで改善する。
    【アトピー性皮膚炎】顔だけでなく、全身で慢性的に湿疹・皮膚炎を繰り返す。瘙痒を伴う。
    【全身性エリテマトーデス】蝶形紅斑とも呼ばれる、鼻背を中心として頬部に対称性に広がる比較的境界明瞭な浮腫性紅斑を認める。自覚症状はないか、あっても軽い熱感を覚える程度で、消退後に瘢痕を残さない。
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