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解説

肝斑

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 肝斑
  • 定義・概要
    顔面に対称性に分布する均一もしくは淡褐色~褐色の濃淡のある皮疹である。30代、40代のアジア人女性に多く、多数の病因が存在する。メラノサイトの数は不変~増加しており、メラニン産生と周辺ケラチノサイトへのメラノソームの受け渡しが亢進している。
  • 診察時のポイント
    発症年齢と分布、色調、形態に着目する。患者が「しみ」と呼称するものには多数の疾患が含まれる。肝斑と他疾患が混在することも多いため、皮疹全体を注意深く診察する必要がある。
  • 診断の流れ
    顔全体を観察し、皮疹の分布を確認する。女性の場合、化粧で淡い色素斑や扁平な腫瘤が隠れていることもあるため、化粧全体を落としてもらうことが望ましい。
    肝斑は、眼周囲を避けて両頬、こめかみ付近に対称性に分布する。前額、口囲、下顎に分布することもある。個々の皮疹は弓状、線状、多角形で癒合し不整形となり、大きさはさまざまである。色調は均一もしくは濃淡のある褐色である。
    鑑別すべき疾患がない限り皮膚生検を実施することは少ないが、病理組織学的には、メラニンが表皮全層で増加し、一部のメラニンが真皮に滴落している。メラノサイトの数は不変~増加しており、血管の数、大きさ、密度が増加している。
    紫外線、妊娠、経口避妊薬で悪化するため、増悪契機の有無を確認することも重要である。そのほか、抗けいれん薬、接触皮膚炎、摩擦、肝機能異常、甲状腺機能異常も要因となる。
    肝斑と診断しても他の疾患を合併していないかを丁寧に確認する。老人性色素斑と肝斑の合併例で、老人性色素斑にレーザー治療を行うと、レーザー後色素沈着の頻度が増加することや、肝斑そのものが増悪することがあるので注意する。悪性疾患の有無が疑われるときは必ずダーモスコピーで確認し、病理組織学的検査を行う。
  • 鑑別疾患
    【老人性色素斑】数mm~10mm大の類円形の淡褐色~濃褐色斑が露光部に単発もしくは多発する。加齢に加え、光老化により発生する。ダーモスコピーで定型的偽ネットワークを認める。脂漏性角化症や扁平苔癬様角化症に移行することがある。
    【脂漏性角化症】扁平隆起する灰白色、黒褐色の腫瘤。時に瘙痒感を伴うことがある。ダーモスコピーで面皰様開孔、脳回転様外観を認める。
    【扁平苔癬様角化症】老人性色素斑や脂漏性角化症に炎症が生じ、扁平苔癬様の組織を示す。炎症が生じると紅斑が出現し、一過性に色素沈着を伴うが消退傾向を示すことがある。
    【雀卵斑】3歳ごろより、直径数mm大の褐色斑が顔面性中部を中心に両頬、両眼瞼に多数散在性に生じる。紫外線暴露で悪化するため、夏季に増悪し、冬季に軽快する。思春期に最も色が濃くなるが、その後は軽快する。
    【後天性真皮メラノサイトーシス】思春期以降の女性の顔面に加え、四肢、背などに拡大することもある。顔面では頬骨部のほか、前額部、眼瞼、鼻に生じる。直径数mm大の小斑が多発し、癒合傾向はあまりない。真皮上層のメラノサイトの増加を反映して灰褐色、青褐色となる。
    【悪性黒子】高齢者に多く、黒褐色斑で、大型、不整形、濃淡が強い。ダーモスコピーで非定型偽ネットワークを認める。拡大しながら自然消退現象が起こるため、病変内で様々な色調がみられる。
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